本作は変身ヒロイン・魔法少女陵辱ものである事を謳っていますが、その延長上として、無残に敗れ、快楽に堕ちた後の姿を描く為のルールを、堕ちたヒロインを描くためのバックボーンとなる悪の軍団の管理ルールとともに、オプションルールとして導入しています。
 どちらかと言えば、キャンペーンやコミュニティプレイなど、長期に渡るプレイ向けのオプションルールです。キャンペーンの途中で堕落判定に失敗し、PCとしてはゲームから取り除かれてしまったヒロインが、悪のコスチュームに身を包み、かつての仲間たちも共に闇に引き入れんとするのは、この手の作品における王道のひとつと言えましょう。それをTRPGで再現する楽しみを、是非味わってみてください。

 以下、『悪の軍団管理ルール』とこのオプションルールを呼称します。 


【悪の軍団の結成】

 悪の軍団は、モンスター作成ルールに則って上位魔族(キング級モンスター)を作るところから始まります。
 この上位魔族こそが悪の軍団の首領となり、ヒロインたちを苦しめ、堕とす存在となるのです。

 悪の軍団は、最初、首領の【知力】×10点の"ミアスマ"を保有しています。
 ミアスマとは、モンスターの作成や、首領が自身の能力を強化したりするのに必要な、瘴気とも呼ぶべきエネルギーです。手っ取り早く表現するならば、悪の軍団を運営するための資金と考えても構いません。
 軍団結成の時点において、ミアスマは以下のような使い方ができます。

《モンスターを作成する》
 ポーン級は5点、ルーク級は10点、ナイト級は20点、ビショップ級は40点のミアスマで作成する事ができます。
《ダークヒロインを獲得する》
 50ミアスマを消費する事で、3レベル・SP20の能力を持った、NPCのダークヒロインを取得する事ができます。
 詳細なダークヒロインの能力については後述します。
《首領の能力値を成長させる》
 成長させたい能力値の現在の値×2のミアスマを支払って、能力値を1上昇させる事ができます。 
 この成長によって、キング級の作成時点での能力値の上限である12を超えても構いません。
《首領に新たな魔法を取得させる》
 10のミアスマを支払う事で、新たな魔法を取得できます。
《トラップを獲得する》
 使い捨てのトラップを取得できます。必要なミアスマは以下の通りです。
テンタクラーマイン
ポイズニックニードル
バインドジェル
インモラリィプール
イビルアイ

《余ったミアスマを侵略点と交換する》
 5ミアスマと引き換えに、侵略点2点を得る事ができます。
 侵略点とは、その魔族キャラクターが人間社会に深く影響を及ぼすための社会的な余力です。
 例えば、利己のためにその魔族に協力する人間の財力やコネであるとか、その魔族が縄張りにしている人気のない場所の余剰面積だとかです。 《施設を獲得する》
 施設を獲得します。この処理に限り、ミアスマではなく侵略点を消費します。  

 【ミアスマと侵略点の獲得】

 セッションを終えた悪の軍団は、対峙したヒロインたちの獲得したCPの合計値に等しいミアスマを獲得します。
 加えて、対峙したヒロインたちの獲得したSPの合計値に等しい侵略点を獲得します。

 これらは通常、GMを行った事によって得られる経験点の代わりに与えられるもの、と考えてください。

 ただし、これらの報酬が正常に得られるのは、セッションにおいてPCたるヒロインが勝利した場合のみです。ヒロイン側が敗北した場合は、これらの獲得量は半分になってしまいます。
 これは何故かと言うと、ミアスマ――すなわち瘴気は、淫らな堕落の誘惑と戦おうとするヒロインの強い意志と魔力が肉欲とせめぎ合う時こそ、高い純度のものが淫気から得られるからです。
 メタ的には、"あくまでPCであるヒロイン側が基本的には勝利するべき"という考えに基づくものです。
 得られる侵略点も半分になってしまうのは――まあ、ご都合ですが、単純にゲーム処理上、ややこしくしないための都合です。


【軍団の維持・運営】

 さて、せっかくの軍団ですから、効率よくヒロインを堕とし、人間界を侵略するために活用しなければなりません。
 基本的には、軍団結成時とおおむね同じ事ができます。ただし《ダークヒロインを獲得する》と《余ったミアスマを侵略点と交換する》の処理は、既に動き出している軍団は使用する事ができません。代わりに、施設を利用して恩恵を得る事ができますので、それを活用しましょう。
 また、ダークヒロインや首領を含め、モンスター、悪の軍団の構成員の負った傷は自然回復しません。
 ミアスマ1点につき10HPを回復させる事ができます。この処理で回復してください。

 また、戦闘中にHPが0以下となったビショップ級以下のモンスターは、基本的に死亡します。施設[再生槽]があれば格安で復活させる事ができますが、そうでなければ作成時点と同等のミアスマを支払って、同じ能力のものをもう1体作る事でしか補充はききません。
 なお、ダークヒロインはHPが0になっても死亡しません。単にそのセッションでは戦闘参加できなくなるだけです(ミアスマを使った回復措置は必要ですが)。


【ヒロインの悪堕ち】

 悪の軍団管理ルール下で行われるセッションで堕落判定に失敗したPCは、(PLとGMの合意がある事を前提として)悪の軍団に所属するダークヒロインとなります。
 ダークヒロインとは文字通り、快楽に敗北し、悪に堕ちたヒロインであり、ご主人様たる魔族のため、そしてかつての仲間を共に快楽の淫獄へ堕とすためにヒロインとしての力を振るいます。
 基本的な戦闘時の処理などはノーマルヒロインの頃と代わりませんが、クライシスアクトがダーククライシスアクトに、クライシスアビリティがダーククライシスアビリティに変わるのが最大の違いです。

 悪堕ちしたヒロインは、まずクライシスアクトをダーククライシスアクトに入れ替えてください。ただし、通常のクライシスアクトは8つまで所持できるのに対し、ダーククライシスアクトは5つまでしか所持できません。この点には注意してください。
 加えて、クライシスアビリティも、ダーククライシスアビリティに入れ替える事になります。

 なお、ダークヒロインはPCのヒロインと同様、セッション内で獲得したCPに等しい値を経験点として獲得し、成長していきます。
 レベルアップ時には、通常の魔法に加え、以下のモンスター専用魔法を習得する事も可能です。
《淫毒》《七色の淫毒》《陽根の呪い》《豊乳の呪い》《排泄の呪い》《薄絹の呪い》《バインディング》《遠隔攻撃》《貫通攻撃》《サモン・テンタクラー》
《サモン・スライム》《イビルフォース》《ダークネスヒット》《ダークネスエンチャント》《オーバーライト・ブラック》《魔淫の宴》《吸精》


【組織の最期】

 悪の軍団はいつか滅びます。それが美学というものです。
 悪の軍団管理ルールを用いた本作の悪の軍団もその例外ではなく、首領が戦闘不能に陥った時に、その可能性を孕みます。
 具体的には、首領が戦闘不能になった時、とどめの一撃によって首領の【HP】が0を下回った場合、下回った値をそのまま目標値として、首領の任意の能力値で判定を行ないます。
 これに成功すれば、重傷は負ったものの一命を取りとめたとみなします。しかし、失敗すれば、首領は死亡――悪の軍団は霧散する事となってしまいます。

 なお、首領の生死判定については、未使用のミアスマ5点を消費するにつき+1D6の、保有している施設をひとつ犠牲にするにつき+2D6の修正を受ける事ができます。


【ヒロインの出戻りと療養】

 悪の軍団が滅びた場合、その組織に所属していたモンスターは消滅し、施設も失われます。
 唯一残る可能性があるのが、その組織にダークヒロインとして所属していたヒロインです。
 彼女らの前には、4つの道が残されます。

《1.ノーマルヒロインに戻る》
 友情の力やカルテルの更正措置などによって、ノーマルヒロインに復帰します。
 レベルと経験値を引き継ぎ、クライシスアクトとクライシスアビリティをノーマルヒロインのものに差し替えてください。
 レベルアップによりモンスター専用魔法を取得していた場合、それは使えなくなります。
 (再びダークヒロインになる事があれば、その時にまた使えるようになります)
 また、肉体改造などを受けた場合、身体特徴を入れ替える事ができます。これに伴う能力値の変化はありません。

《2.別の悪の軍団に仕える》
 主人を変えて、今まで通りダークヒロインとしてゲームに参加します。
 この際、新たな主人が首領を務める悪の組織は50ミアスマを支払います。

《3.自らが首領になる》
 それまでゲームに参加していたダークヒロインとしてのデータを削除し、新規のキング級モンスターを作成してください。
 設定や人間関係は引き継ぐものの、データ的には新規キャラクター、という形です。

《4.自発的にゲームから取り除かれる》
 ご主人様だった魔族に殉死するのか、それとも戦いを離れてひっそりと生きるのか。
 いずれにせよ、軍団の崩壊が、キャラクターとしてゲームに参加する上での引き際となる事もまたあるでしょう。

 なお、ダークヒロインからノーマルヒロインに復帰した際、カルテル等の専門施設で療養を受ける事により、【SP】を下げる事が可能です。
 1レベルの低下につき、【SP】を5下げる事が可能とします。
 なお、GMの裁量により、ダークヒロインから戻った時だけでなく、単に敗北したヒロインにもこの処置を施してもよい、とします。


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