オリオン攻防戦記ハイペリオン2
作:猫王氏

人類が母なる地球を離れて2300年。
ヒトは既に何千パーセクにも及ぶ生活圏を
ジャンプゲートで行き来する。
有人ロボットが機動兵器として使われ、
宇宙戦艦がオリオンで燃え落ちる。
そんな時代の物語。

先任者たちはもう居ない。
しかし彼らの話は数多くの現存している
文明の御伽噺として残っている…。

それは現在宇宙に進出している文明よりも
百万年前に発達した、この銀河団を収める事と
科学の最高点を得ることに成功したと言われる種族の伝説…。

彼らは宿命の敵と戦うために恒星を丸ごと質量爆弾として飛ばしたり、
時間の流れを止めたりし、多くの犠牲の後に勝利を手にした。

しかし、彼らは宿命の敵を絶滅させようとはせず、
この宇宙から異次元へと追放したと言う。

刻の流れと共に御伽噺は文明から文明へと語り継がれ、
先任者が何故いなくなったのか、
彼らの本星の所在地は何処なのか等の情報には
数多くの説があり、本当のことは誰にも分からない。

しかしこの数多くの御伽噺には一つの共通点がある。
先任者の超文明の産物はこの銀河にも
人知れず数多く残されていて、発見する者を待っていると…。

新共和歴20年。かの神聖ドラコニア法國との
大宇宙戦争から4年後の世界を揺るがすものは太古の遺産。

人生を一度は戦争で翻弄された者たちが挽回しようと踊り狂う。
新しい世界の流れに耐えうることが出来るのは
逆らわずに適応する者だけなのだろうか……。

原作DLページ   辞典登録データDL

主要登場人物

なかおかちまち とらちよ
仲御徒町 虎千代

新共和国、植民地連合、民間人。
グルームブリッジ出身。22歳。

自称傭兵、実際何でも屋。
アレクシスたちと行動を共にする。
調子の良い熱血漢で一見単純で、
宇宙船用エンジン製造業者、
仲御徒町モーターズの次男坊。

兄がアレクシスの姉と結婚し、
仲御徒町モーターズと
デリカットテクノロジーで
業務協定を結ぶ事となる。

実家がADTのパーツを製作するにあたって、
ADTのノウハウを身で覚える為に
軍の士官学校で学び、2年間兵隊をやっていた。

主な搭乗機:TORA

アレクシス=
デリカット

新共和国、SOL連邦、民間人。
ニューボストン出身。19歳。
宇宙船製造業者最大手、
デリカット・テクノロジー社会長、
ブランソン=デリカット(81)の孫娘。
家族構成:祖父、父、母、兄二人、姉一人、叔父

オリオン市攻防戦から7年経って、
アレクシスは何でも屋のPrivateerを営んでいる。
元から運動神経が良かったが、
オリオン市攻防戦と彼女の選んだ稼業のお陰で、
更に腕に磨きがかかっている。

おまけに軍の英雄的なエース、
ハヤト=ミカミ少佐の知り合いの為、
軍でも彼女のことは意外と有名である。

新共和国軍から年に数回、
任官の勧誘があるが、毎度断っている。

主な搭乗機:ハイペリオンブルーインパルス

ローレンス=
エヴァンズ

新共和国軍大尉。27歳。

愛称ラリー。
SOL連邦軍のエヴァンズ将軍の息子。
過去のドラコニア戦争で
同じく軍人の兄を失っている。
その後ドラコニアの派遣軍は本国に繋がる
ワームホールをSOL連邦の1部隊に破壊され、
本国に戻れなくなり、和睦し、
人間と同じ銀河に住むことになる。
しかし、エヴァンズはドラコニア人全般を
今も憎んでおり、父親と共に軍の発言力を高め、
ドラコニアと再び戦い、
この銀河から追い出す事を目論んでいる。

彼の死んだ兄マーク=エヴァンズは
ドラコニア戦争時のエースADTパイロットだった為、
出来の悪い自分は努力しなければ
いけないと考えながら、
ここまで来て、今は軍の大尉。

かなり腕の立つパイロットだが
感情に動かされて行動する為、
エヴァンズ将軍派の幕僚の一部からは
能力を疑問視されている。

主な搭乗機:ゴライアス、セアバロス

ケネス=エヴァンズ

新共和国軍上級大将。51歳。

ラリーの父親。長男のマークを
戦争で失った為に迷走しているSOL連邦の将軍。

昔から部下の兵士達に受けが良く、
自分に味方する者には優しく、
敵対する者には容赦しない男。
戦争と息子の死に振り回されなければ、
それなりの人生を送り、退職して、
静かに暮らしていたかもしれない。

主な搭乗艦:コンステレーション級
巡洋戦艦ジャンヌダルク

ジャスティス覆面
影山

シリーズを通して登場する
愛と正義のために戦う熱き漢の魂を持った戦士。

単なるヒーローおたくかと思われたが、
実際は……??

主要登場機体

TORA

武装も高出力の物が取り揃えてあり、
スペックや外見を見ると立派に見えるが、
実際は急ピッチに作られたものだ。

仲御徒町モーターズで開発中であった
超高出力対消滅炉にセーフティーカバーをとりつけ、
仮設の推進器、頭部と手足を付けてあるだけである。

武装は開発中で非効率な物が多く、
対消滅炉が超高出力でも結局
エネルギー切れになりやすいそうだ。

ハイペリオン
ブルーインパルス

ステイシスバリアと装甲を廃し、
機動性に重点を置くことによって、
低コスト化させたハイペリオンの量産型。

自己推力を持った剣型格闘兵器、
ハイペリオンソードを
元のハイペリオンから受け継いでいる。

しかしながら、ハイペリオンソードは
操作が困難なため、ソード未装備型の
レッドアローという
バージョンの機体も存在する。

ハイペリオンの対消滅炉は
単体では従来のADTの炉と
出力がさほど変わらないものの、
ハイパーX畜電器によって、
一時的に大電力を消費することが可能である。

ハイペリオン
ブルーインパルス
カスタム
ブルーインパルスとドラゴンシードが融合し、
ADTを超えた存在。

セアバロス

地球技術とドラコニア技術との融合を図って、
極秘に作られた試作第三号。

究極の強襲型がコンセプトの機体で、
比較的装甲が重いが、
大出力スラスターにより、
運動性は損なわれていない。

この機体ではノウハウの蓄積の為、
ドラコニアのイオン技術を元にした武器、
ハイパーイオンブレードが搭載された。

地球のプラズマとフェイズ技術にも
力が入っており、メガプラズマキャノンと
速射型スマートガンにより、機体バランスの良い
洗練された兵器となっている。

ジャスティス
ドリラー

熱い漢には熱い乗り物が必要だ。

このマシンの操者に聞けば、
彼はこう答えるだろう……

『穴を掘り、正義を知れば、百戦、危うからず
 ……中国の古い兵法だ』

真相は神のみが知る……。

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