ファーレーン王国
国土面積 ★★★ 国家人口 ★★★
経済力 ★★★ 軍事力 ★★★
治安 ★★★★ 学術水準 ★★★
天父信仰 ★★★ 地母信仰 ★★★
魔物脅威 ★★★★ 国際緊張

ファーレーン王国は、フェルサリア南東部に位置する比較的大規模な国家です。
森と草原が国土の多くを占めており、地中海性の温暖な気候と、比較的豊かな土地を持っています。
建材や造船に使用される木材と、豊富な取れ高を誇る穀物を特産品としており、
これを用いた交易と、誠実な外交姿勢によって周辺諸国とは良好な関係を築いています。

都市部は法治が充分に行き届いていますが、法による束縛もあまり窮屈なものではなく、
明確に厳禁とされているのは理由なき殺人・障害・窃盗・詐欺などといった弁護の余地もない行為ぐらいです。
大半の人々は、自由でのびのびとした気風が漂う中で暮らしています。
ただし、安定的に反映を続けてきた事の裏返しか、突飛な発想や急激な変革は受け入れられにくい風潮も
少なからず存在しています。

また、近年は東に位置する"失われた大地"からの侵攻への対応を強いられています。
"失われた大地"とは、ファーレーン王国の東に位置する半島を指します。
生存者が語るには、魔物の侵攻によって半島全土がヘレティアの咲き乱れる魔物の楽園と化してしまい、
とても人間の住めなくなってしまった土地である、と言われています。
"失われた大地"とファーレーン王国の間には険しいメルド山脈が立ちはだかっており、これが天然の要害として
ファーレーン王国を魔物たちの全面的な侵攻から守っています。
しかし、それも完璧なものではなく、国内での魔物の活動も東側を中心にじわじわと増加しています。

なお、ファーレーン王国は小麦をはじめとした穀類の算出がフェルサリア中でも最高で、
加えて温暖な気候のおかげで多様な野菜を育てる事ができるため、食文化はバラエティに富んでいます。
サラダにはさまざまな野菜が並び、肉料理や魚料理にはトマトを煮崩したソースがよく使われるのは
自然の恵みを充分に享受しているとも言えるでしょう。
もっとも、あくまでもパンが主食で、加えて上記のような料理が一品、というのが一般的です。
果樹林も国内のあちこちに点在しているためか、果物が料理に使われる事も少なからずあり、
果物のパイは庶民のちょっとした贅沢として認知されています。

王都ファーレンベルグ

王都ファーレンベルグは、国内の土地のほぼ中央に位置しています。
東にはメルド山脈、南には海、北・西を森に囲まれたこの土地は戦略的に守り易いのみならず、
豊かな天然資源と安定した気候により、天災の影響すら受けにくい場所として繁栄を続けて来ました。
現在の都市人口は約5万人ほどに登ります。

全体を外壁で囲み、街道から続く道の先に大門を構えた外周構造の内側の町並みは、活気こそありますが、
さまざまな施設がひとつの区画内に混在した、一見混沌としたものになっています。
これは古くからこの地に住み、国家を発展させてきた人々の当時の住まいの位置を尊重したため、
区画整理が充分に行われていない事に起因します。
このため古くからこの地に住んでいる人やその一族は近所同士でも仲が良い事が多いのですが、
反面、住宅地区に商店や鍛冶場が不規則に混在していたりするため、物流や生活上に公害などの問題も
しばしば取り沙汰されています。

中央に構えられた城郭は、王国の明るい気風を象徴するかのように壮麗なたたずまいを見せており、
政治機関の中枢としても機能していますが、近年では軍拡傾向が進む事に応じて軍兵の数も増えつつあり、
それらを率いる騎士たちが少なからず常に城に詰めています。
玉座を預かる第6代国王フリードラム・フォン・ファーレンベルグは34歳と、一国の主としては年若いですが、
数年前"失われた大地"からの侵攻開始によって先王が犠牲になった事による急速な即位にも対応してみせ、
誠実な外交姿勢や、魔物の侵攻への迅速な対応、軍拡に伴う増税を最低限に抑えるための政策などが評価され
充分な支持を集めています。
また、フリードラム本人が剣術の達人でもあるという英雄性も人気に一役買っている面もあるのでしょうが、
残念ながら、フリードラムにヴァルキリーズ・チルドレンとしての能力は無いようです。

前哨都市ファンダルシア

ファンダルシアはメルド山脈に続く道の途上にできた街でした。
当初はメルド山脈を産出地とする林業・鉱業を主体として経済を成り立たせていた街でしたが、数年前、
メルド山脈を越えた先にある半島が"失われた大地"と化した事をきっかけに、魔物の侵攻を食い止めるための
前線基地としての街へと急速に変わっていったという経緯を持つ街です。

近年になって急速に整備されただけあって、街の区画はしっかりと整理されています。
メルド山脈に近い東端には堅固な城壁と砦が設けられ、一般住宅区・商工業区は西側に集中しています。
東側は神殿や役所などの公的機関や、常備軍兵の住宅などが多く見られます。

王都に比べるといくらか物々しい雰囲気はありますが、警邏や軍兵が数多く詰めている街でもあるため
治安は決して悪くありません。
また魔物討伐の機会も多いため、この街を拠点にしている冒険者・討伐者も数多く見られます。
またそのような背景がある事に加えて、メルド山脈から算出する豊富な良質の鉱物が資源として採れるため、
武具を始めとした鉱工業に関する腕の良い職人が集まる場所ともなっています。

総人口は1万5千人ほどで、充分に大都市の部類です。

副都オルフェンハイム

オルフェンハイムは、ファーレーン王国内の西側に位置する大都市です。
かつては、西はリーフェリア立憲君主王国、北はスヴィニア王国へと続く街道の交差点に位置する街として
陸路貿易の一大拠点として反映していた街です。
街道がそのまま街の大通りとなっており、道の左右に大規模な商業施設がいくつも立ち並んでいます。
街道の南側には領主官邸を兼ねた城郭が建っており、ファーレーン第二の王城とも呼ばれるこの城は
四方を一望できる高い塔を備えており、まさにこの国の目の役であるとも言えます。

現在でもその都市規模は縮小しておらず、むしろ拡大の傾向にありますが、
スヴィニア王国が妖魔の軍勢に占領されてからというもの、北方からの侵略に対する防備が重視されるにつれ
街を厳重な石壁で囲い、騎士や軍兵の姿が多く見られるようになってきているのが近年の動向です。
スヴィニア王国が事実上滅亡してしまった現在では、かつてに比べると交易所の活気も下火になっており、
徐々に城塞都市化、ひいては軍事国家化していくのではないかという不安を抱く住民もいるようです。

それでも、いまだ西側のリーフェリア立憲君主王国との国交は健在であり、かの国からは
高価な織物や細工品、宝石、芸術品などといった嗜好品や高級食材が絶え間なく輸入されており、
同時に良質の木材や穀物の輸出も行われています。

総人口は2万2千人ほどに登ります。