リーフェリア立憲君主王国
国土面積 |
★★★★ |
国家人口 |
★★★★★ |
経済力 |
★★★★★ |
軍事力 |
★ |
治安 |
★★★★ |
学術水準 |
★★★ |
天父信仰 |
★★ |
地母信仰 |
★★★★ |
魔物脅威 |
★★ |
国際緊張 |
★★★ |
リーフェリア立憲君主王国は、フェルサリア南西に位置する豊かな自然を持つ国です。
起伏の少ない地形には広大な草原が広がり、国土の中央付近に清水の湖が静かに横たわっている姿から
フェルサリアで最も美しい国家とも言われています。
豊富な天然資源を持ち、経済的に豊かでもある一方、魔物の被害も比較的少ない国家であるため、
フェルサリアの中でも随一の平和な国家であり、経済的にも精神的にも人々に余裕が見られます。
そのゆとりは学術水準の向上にも寄与しており、初等教育をきちんと受けられる子供の割合が高く、
フェルサリアで最も文化的な国だと言えるでしょう。
食文化的にも最も発達しています。主食こそ隣国ファーレーンから輸入した穀物が中心ですが、
国内で広く養鶏が行われており、鶏肉料理と卵料理が非常にメジャーな存在となっています。
肉はそのまま炙ってもよし、シチューの材料にしてもよし、一手間かけて高級に行くのなら
玉葱と牛脂を煮溶かしたソースをかけてもよし、といった扱いです。
また、国土の中央に位置する湖に住む淡水魚も身が締まっていて味がよく、レモンや香料を使った
マリネにしばしば使われています。
また国内の一部では、豊富な水資源による稲作が行われており、これはリゾットなどに使われます。
そんな一見すると豊かで平和な、恵まれた国であるリーフェリアですが、
フェルサリアにおいて場違いとも言えるほど平和な国柄は、少々顰蹙を買う事もあります。
この国の多くの民は飢えや乾きとは無縁な程度には恵まれており、他人と争い奪い合う事を知りません。
そのため貧困に起因する犯罪はとても少なく、窃盗、強盗、殺人などの事件は滅多に起きないため、
国内の犯罪抑止に対する取り組みはほとんど行われていないのが実態です。
犯罪を規定する法はもちろん定められていますが、その法をどう守らせようと考えるまでもなく、
多くの民は従順に法と善意に従って行動してくれるので、取り組む必要が無い状態なのです。
ある意味では理想的な平和国家ですが、世界情勢を鑑みれば平和ボケした国家であると言われるのも
やむを得ないところでしょう。
そのような国柄ですので、警察・軍事組織の編成や練磨にも力が入れられているとは言い難く、
フェルサリア最大の人口を持つ国家でありながら、その軍事力は主要国家の中では最低レベルのものに
留まっています。
魔物討伐に対する士気は国家全体で低く、平和主義の名の下に、どうにか戦いを避けようとしています。
スヴィニア王国跡の妖魔の帝国ともわずかに国境を接していますが、今のところ大きな被害が無いのは
バルハリア連邦の勇敢な戦士たちが妖魔たちの警戒を引きつけているからに他なりません。
リーフェリアとしては魔物と正面切って戦う国家に対して些少ながら援助を行ってはいますが、
自ら剣を取ろうとしない姿勢に対しては批判的な声も少なくありません。
もっとも、バルハリア連邦をはじめとした、一部の熟練の戦士たちに言わせれば、
「あんな腰抜けの国に実戦に出て来られても困る」とまで言う声もあるのですが…
いずれにせよ、経済と文化においては頭ひとつ飛び抜けている力を持った国家ではあるのですが、
このような世界情勢の中であっても武力がおろそかで、危機感の無い国と認識されています。
紛争に発展するほどではないにせよ、周辺諸国から猜疑の目を向けられているのは確かです。
立憲君主王国と言うだけあって、リーフェリアは君主制でありながら、憲法によって王権を規定しており
いわゆる絶対王政とは一線を画した制度で国家を動かしています。
現在は貴族たちによる議会で法案を討議し、国王がその承認可否のみ決めるという制度になっていますが、
この制度が貴族たちの利権争いや、商人や犯罪組織との貴族の癒着などの問題にも繋がっています。
現国王であるグラナータ女王も頭を悩ませていますが、抜本的な改革には至っていないようです。
王都フロルラント
国土の中央付近に位置する湖の南西側に沿うように位置する王都です。
まず立地的に見ると、湖の一角を埋め立てて造られた城がまず目を引きます。
城の外縁には色とりどりの花が咲く庭園が作られており、花と湖に囲まれた幻想的な光景を描きます。
城下町もまた、湖から引いてきた水による人工の河が街を縦横に走っており、
小奇麗な街並みの光景、瀟洒な橋と相まって、この王都は"水と花の都"などと呼ばれる事もあります。
この人工の河は本来、実用的なものです。
フロルラントが接している湖は淡水魚の漁も行われますが、湖から大河を経て外海へ繋がる道でもあり、
陸路で辿り着くのが困難な諸島国連合やカルディナ教国との貿易のための重要な出入口でもあるのです。
もともと潤沢な経済力を持つリーフェリアは、各国の特産品の輸入も積極的に行っており、
フロルラントにあってはフェルサリアのどのような品物でも目にする事ができるとまで言われます。
その調達能力を支えているのが、フロルラントを走る運河なのです。
加えて、フロルラントはフェルサリアで最も美しい織物美術の技を誇る土地でもあります。
高品質な絹と独特の発色技術で作られた織物は鮮やかな色合いと美しい光沢を持ち、見る者を魅了し、
それゆえに高値で取引されます。
リーフェリア国内だけに留まらず、ファーレーン王国やカルディナ教国、諸島国連合の一部の国では
高級品志向の強い貴族や豪商が、その力を誇示するためにフロルラント製の絹の衣服やハンカチを
好んで愛用しています。
工芸都市サンドリオン
リーフェリア西端の半島部に位置する大規模な都市です。
大きな特徴として、この都市はフェルサリアでも最大規模の工芸都市である事が挙げられます。
陶磁器や貴金属の装飾品、高級家具などの調度品が盛んに作られており、そこから生まれる経済高価は
莫大なものとなっています。
特にステンドグラスに代表される硝子細工は、神秘的な美しさもあって各国で絶賛されており、
否応なく行き来する人の注目を集める事から、この街の"硝子の都"という二つ名の語源にもなりました。
それだけあってサンドリオンの工芸職人は社会的立場も高く、収入も高額なため、リーフェリアにおいて
憧れの職業であるとも言えます。
同時に、サンドリオン製の美術品を所持する事は、万国共通で自身の経済力を示すのに充分な事でしょう。
しかし、実体は上辺通りに綺麗な都市というわけではありません。
莫大な経済効果を持つとなれば上手くして甘い汁を吸おうという手合いが現れるもので、水面下では
工芸職人たちのギルド内での派閥抗争や職人の引き抜き、政治屋同士の利権争いが絶えず行われており、
いずれはより大規模な紛争に発展するのではないかと心配する声もあります。
風聞では、窃盗や人の失踪などといった事件の数は、リーフェリアでは最も多いとも言われています。